マネージャーという仕事には、全てがある

いま部下を持っている方も、そうでない方も。
「営業現場のマネージャーってどんな仕事ですか?」そう聞かれたら、なんとお答えになりますか?

あえて否定的な意見から書いていきますと…。
上と下との板挟み。プレイヤーとマネージャー両面で働かされて、営業活動も忙しく息つく暇もない。
そんなネガティブな意見も多いのではないかと思います。

マネージャーは現場がよく見えています。それだけに、上からのオーダーや予算がしばしば無茶なモノになるのはマネージャーが一番よくわかっている。でもそれを担当に伝えるのも、予算達成に向けてチームをまとめ上げていくのも、マネージャーの仕事。いろんなものを棚に上げなきゃいけないってしんどいですよね!

最近では自分の上司の激務を見て、「マネージャーになりたくない。スタッフのままで専門性を高めたい」という若年層が増加傾向にあるようです。男性新入社員の38%(女性に至っては73%)が「管理職になりたくない」と考えている統計結果※もあるほどです。
※出典:公益財団法人 日本生産性本部プレスリリースより

マネージャーは確かに大変なポストですし、部下が敬遠したくなるのもわかる気がします。
ですが!
実際に経験もせずに食わずキライするにはあまりにもったいない。

それは、マネージャーの仕事には、およそビジネスの「全ての要素」が詰まっているからです。
営業活動でミッションが進んでいくその瞬間に立ち会い、キーマンとして関与する。マネージャーとして部下を育成する一方、自分のチームの一国一城の主として経営と対峙する。

ビジネスで今起きていることを、現場・マネージメント・経営、その全てに自分の手で触れることができるという大きな醍醐味と可能性がマネージャー職にはあるのです。

チームビルドには「詳細な目標」と「確かな情報分析」が欠かせない

マネージャーが部下の指導でなすべきことは、「利益を出す仕組みをチームで作り上げる」こと。そして、「仕組みを作る方法そのものを部下に伝播していく」こと。この2点に集約されます。

稼ぐ商材を教えるのではない。営業プロセスをふまえた稼ぎ方そのものを一緒に構築していくのです。
カーディーラーなら、今年の売れ筋の新車を教えるのではない。富裕層を顧客に囲い込む方法・既存顧客の買い替え需要の確実な取り込み・顧客紹介の獲得など、「真に重要で不変の販売ノウハウ」を部下に叩き込むのです。

この利益を出す仕組を構築する際、必要不可欠な要素の一つに「確かな情報分析」があります。
マネージャーは豊富な経験を基に、的確な判断をくだすことが職務です。しかし、大事なのは「いま現場で何が起きているのか」を的確に把握すること。不十分な、あるいは誤った情報は、誤った対応しか生みだしません。
情報をいかに収集し、分析し、的確に「稼ぎ方を考えていくのか」。そのジャッジとスピーディな対応こそセールスパーソンの腕の見せ所であり、マネージャーが部下に伝播し横展開を図るべきスキルと言えます。

SFAはマネジメントの切り札

この情報分析においてマネージャーをサポートし、部下のマネジメント・指導育成に決定的に効果的なのが、現在目覚ましい勢いで普及を続けている営業支援システム「SFA」の活用であると言えます。

SFAはSales force automationの略であり、「営業組織が持っている営業の情報を一元保有・管理・分析・評価し、メンバー全員で共有するシステム」等と定義できます。

このシステムが通常の顧客管理システムと異なるのは、「営業のすべてを呑みこんで分析できる」点にあります。
従来の顧客管理システムが「顧客の属性とアプローチの結果」といったような「点」の情報しか持たないとしたら、SFAは「どのお客様にいつ誰がどんなアプローチをしたのか、結果はどうだったのか」「いつどのキャンペーンページを踏んで当社サイトに来られたのか」といったような営業プロセスも含めた営業の全情報を保有・分析する事が可能であるため、極めて的確な「次の一手」を検討する事が可能となるのです。

SFAがマネージメントにおいてきわめて効果的に稼働するのは、
「部下の取り組んだプロセスそのものを見える化してくれる」ところにあります。

営業現場において、成果は必ずプロセスの上に成り立つもの。「適切な」プロセス×プロセスの量で成果は決まってきます。SFAであれば、各担当営業ごとに、どんなプロセスマネジメントが可能です。

その担当者がどこに行き詰まり、営業課題を抱えているのか。プロセスがデータとして明らかである以上、「担当者自身がどのプロセスに行き詰っているかを把握しやすい」ことが大きなポイントと言えます。
マネージャーは部下と一緒に状況分析し、課題解決に向けて次の一手を探しだそうとする部下の背中をそっと押してあげればいいのです。

例えば、法人向けの商材を扱っているA社で、下記取組を担当者が行ったとします。
「クライアント500社に新商品案内セミナーの告知メールを配信、さらに見込み度の高い法人100社にフォローコール実施して23社のセミナー参加を得た」

担当者はこの結果にがっかりしています。目標は50社の呼び込みだったからです。マネージャーに進捗の報告をした際、やはりその点を突っ込まれました。

「そうか、23社か…。目標の半分にも達して無いのは残念だね。あと2週間、何が出来るか考えてごらん」

担当者はちょっと驚きます。あと2週間で何が出来るのだろう。資料の手配に時間がかかるから、1週間前には来場者を確定しないといけない。となると、実際には呼び込みにあと1週間しかないことになる…。
そんな担当者の冴えない顔色を見ながら、マネージャーは笑いながらSFAの活用を指示しました。

「SFAで過去のアプローチ履歴を見てみろよ。今回の新商品がウケる顧客層の属性を徹底的に絞ってみたらいいじゃないか?」

マネージャーの言葉に押され、担当者はもう一度今回のアプローチを検証します。すると、セミナー参加企業が設立10年以内の中小企業に集中していることに気付きます。さらに、過去のアプローチ例から「セミナー案内メールは2回目のフォローメールの開封率が高い」事実を発見します。そこで、1週間の間に500社に再度「締切迫る!残席あとわずか」と銘打ったフォローメールを発信し、設立10年未満の企業に集中的にフォローコールを実施して、見事50社の参加をかき集めたのでした。

 

このマネージャーは、今回の商材が設立10年以内の若々しいチャレンジングな企業にマッチする物であることも、セミナーは2回目のフォローメールでのトレースが効果的であることも、もちろん知っていたのでしょう。
しかし、「大事なのは担当者が自分の眼と手で発見する事だ」と思い、担当者が自分で課題を解決する機会を与えたのです。これこそが営業力強化の方法であり、組織力のアップに結び付く成果となります。

マネージャーが部下に方向性を指示し、部下が自分の手でSFAから情報を分析し、アプローチを検討できる。部下が自分で「あがく」ことで、部下は結果やプロセスでの自分の至らなさを腹の底から認識しますし、そのプロセスをしっかりと身に着けることが出来るでしょう。
このように、SFAが提供する「自分であがく」プロセスの積み重ねこそが、逆境や到底届かない目標に向かっても最善を尽くせるタフなセールスパーソンを作り上げていくのです。

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