マネージドサービスは、サーバー運用やソフトウェア管理、セキュリティなど企業の様々なIT環境に関わる業務をアウトソーシングできるサービスを指します。またクラウドサービス元が提供している部分的な保守・運用についてもマネージドサービスと呼ぶことがあります。
定義は明確ではないものの、IT・デジタル領域で外部に責任を持たせる範囲とも言えるでしょう。
オンプレミスからクラウドへの変化
これまではIT関連のインフラ、端末などを含む機器、ネットワークなどを自社で保有して、保守・運用するオンプレミス環境が主流でした。しかし、クラウドサービスでは、サーバーなどのシステム構築や保守・運用の一部はクラウドのサービス元が提供しています。
下記の図は、Amazonが提供しているAWSの責任共有モデルの図になります。オンプレミスではすべての領域を企業が責任を持って管理する必要がありましたが、クラウドサービスではAWSのようにサーバーやインフラ、ソフトウェアの責任を持っています。これらの責任範囲をマネージド、自社の責任範囲を案マネージドと呼ぶこともあります。またマネージドの領域はSaaS、IaaS、PaaSによって異なり、サービス元によってもさらに細分化します。企業にとってはこれらの調達・運用コストは抑えられますが、それ以外の分野で高度で専門的なスキルが必要となっています。
またひとつの企業は、ビジネスチャット、勤怠システムや業務フロー、web会議システム、SFA(営業支援ツール)、CRM(顧客関係管理)など複数のクラウドサービスの導入しているケースがほとんどです。またオンプレミスとクラウドのハイブリッド型の企業も存在します。
そのため、DX推進とともに情報システム部門の役割や必要な知識やスキルも変化してきており、自社で対応する負荷が大きくなってきています。
MSP(マネージドサービスプロバイダ)とは?
クラウドサービス元がサービスとともに運用・管理も同時に提供するケースもある一方で、企業の代わりにクラウドサービスの選定、導入支援、運用サポートなどをワンストップで行うマネージドサービスを提供する事業者も多く存在します。MSP(マネージドサービスプロバイダ)と呼称されます。MSPにはフルサポートする事業者から一部に特化したサービスまで様々です。
マネージドサービスの種類と範囲
委託範囲・内容によってマネージドサービスにはいくつか種類があります。
通常のマネージドサービス
保守・運用やデバイス、アプリケーションの管理、セキュリティなど特定の領域を委託するのが通常のマネージドサービスです。それぞれの領域で求められる知識は異なりますので、自社で対応しにくい領域を外部に委託することができます。社内ヘルプデスクの対応などはこちらに当たります。
フルマネージドサービス
文字通り、ITの全領域を外部に委託して、自社はコア業務にリソースを集中する形態です。保守・運用、監視、トラブル対応など24時間365日の障害対応などすべてを委託するので、IT部門ごと外部に委託するイメージです。
マネージドクラウド
オンプレミスではなく、クラウドサービスにおけるマネージドサービスのことを指し、クラウドベンダーが提供しているサービスと、MSPが提供しているサービスがあります。
モバイルのマネージドサービス
DXや新型コロナウイルスの感染拡大により、テレワークなど働き方も多様化してきています。業務に活用するデバイスもノートPC、スマートフォン、タブレットとシーンによって使い分ける企業も増えています。インフラやセキュリティの視点ではなく、モバイルデバイス、端末にフォーカスして、調達、管理、導入ソリューションなどをワンストップで提供するサービスも生まれてきています。
関連資料:モバイル端末の調達から運用管理、トラブル対応までワンストップで対応!マネージドモバイルサービスについてご紹介