はじめに

テレワークは、情報通信技術を活用してオフィス以外の場所で働く業務形態の総称です。今でこそ多くの企業がテレワークを導入していますが、広く浸透する前は環境整備にかかるコストや生産性の低下など、様々なリスクへの懸念がテレワーク導入を妨げていました。

テレワークがひとつの働き方として提示されるなかで、実際に懸念されていたとおりの問題は生じているのでしょうか。本記事では、テレワークが与える生産性への影響の実態に触れつつ、改善策について解説します。

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テレワークで生産性は下がる?

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現在、時間や場所に縛られることなく働けるテレワークが、さまざまな業種・職種で導入されつつあります。新型コロナウイルス感染症拡大の防止目的で急速に広まりましたが、オフィスに出勤する必要がないため、通勤にかかる時間を有効活用できるなどコロナ対策以外のメリットを実感する人も少なくありません。

一方で懸念されているのが、テレワーク導入によって生産性が低下する可能性です。経済産業省が2021年2月に発表した「コロナ禍の経済への影響に関する基礎データ」によると、オフィス勤務と在宅勤務で生産性に差は生じるかという質問に対して、「在宅勤務のほうが生産性が低い」と回答した割合は企業で92.3%、労働者で82.0%にのぼりました。

また、パーソル研究所が2021年1月に発表した「第四回・新型コロナウイルス対策による テレワークへの影響に関する緊急調査」では、新型コロナウイルス感染拡大がきっかけで初めてテレワークを体験した人と、以前より行っている人の生産性を比較した結果が公開されています。調査によると、「テレワークで生産性が下がった」と感じる人の割合は、以前からテレワークをしていた人に比べ、コロナ禍で初めてテレワークを体験した人の方が7.2%高いという結果となりました。

2つの資料から、多くの労働者および企業が、テレワークによって生産性の低下を実感していることが分かります。とくにコロナ禍がきっかけでテレワークが導入された企業では、十分な準備期間が設けられないままテレワーク環境に移行したことも理由としてあげられるでしょう。

しかしテレワーク自体は、求職者にとって働き方の幅が広がる良い施策です。今後の企業選択においては、テレワーク導入の有無が企業競争力の要素になると考えられます。そのためテレワーク環境は維持しつつ、生産性を上げる工夫が各企業にとって喫緊の課題と言えるでしょう。

参考:経済産業省「コロナ禍の経済への影響に関する基礎データ」

参考:パーソル研究所「第四回・新型コロナウイルス対策による テレワークへの影響に関する緊急調査」

テレワークで生産性が下がる理由と対策は?

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前述のとおり、テレワーク導入前後で生産性の低下を感じている人は少なくありません。働く環境が異なるだけで、何故このような変化が起きるのでしょうか。そこには単純に従業員本人の問題とは言えない、複雑な事情が絡んでいる場合も少なくありません。

以下の各項目で詳しく解説していきます。

長時間労働の増加

テレワークは基本的に自宅勤務であるため、仕事とプライベートの境界が曖昧になり長時間労働を生みやすい環境です。日本労働組合総連合会が発表した「テレワークに関する調査2020」では、テレワークの導入によって従来よりも労働時間が増加したと答えた人の割合は、半数を超える51.5%でした。

また、休日勤務や時間外労働の事実があるにもかかわらず、企業へ申告しなかった人の割合は65.1%にのぼり、企業が検知していないところで長時間労働が常態化していることが明らかになりました。

参考:日本労働組合総連合会「テレワークに関する調査2020」

まずは各社員の労働時間を正確に数字で管理する必要があります。具体的には、パソコンのログイン・ログアウトの記録取得や、日報などの送信時間を記録するなどの方法があげられます。

また、労働時間に加えて従業員のタスクを管理することも重要です。日報や定期的な業務報告などで、それぞれのタスクは適切な量か、進捗は問題ないかなどを確認し、必要に応じて上司や周囲によるサポートを行いましょう。

テレワーク環境ではチームメンバー同士の情報伝達にも時間を要すほか、コミュニケーションも取りづらくなってしまうため、スムーズにタスクを消化できない社員もいます。テレワーク環境の制限を理解したうえで、オフィス勤務とは異なるタスク設定も視野に入れるのがおすすめです。

不十分な環境整備

テレワーク導入に伴い、環境整備が最大のネックとなった企業は多いでしょう。全国的に通勤自粛が求められた時期には、普段の業務はテレワークで問題ないものの、書類に押印するために定期的な出社を求められる従業員たちの姿が各メディアで取り上げられました。

このような業務フローの問題に加えて、通信環境・机・椅子など、設備の問題もあげられます。業務内容に応じて整備されているオフィスに比べると、自宅での業務は集中しづらい環境であり、生産性に影響を及ぼしかねません。

不十分な環境整備への対策

自宅が業務に適切な環境と言えないのであれば、無理に在宅勤務へこだわるよりも、従業員それぞれが自分にとって働きやすい環境下で働くことを推奨するのも一つの手です。

テレワークは自宅で業務にあたる在宅勤務の他にも、シェアオフィスなどを利用するサテライトオフィスやカフェなどで勤務するモバイルワークも含めた、オフィス外での勤務スタイルを表す言葉です。

コワーキングスペースやシェアオフィスを企業側で手配したり、テレワークプランやデイユースプランを提供するホテルや、カラオケルームを活用できるよう補助を出したり、従業員が集中できる環境で業務出来るような支援策は多岐にわたります。

セキュリティ面に不安がある場合は、テレワーク用の環境整備費用を企業が一定額補助したうえで、自宅業務の環境整備を促す方法もあります。また、業務フローの兼ね合いでオフィス勤務が必要になっている場合は、各種申請のオンライン化やクラウドPBXなどツールの導入も検討しましょう。

関連記事: モバイルワークとは? テレワークとの違いや導入のメリット、ポイントを解説

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コミュニケーションコストの上昇

テレワークは情報交換にメールやチャット、電話などを使用しなくてはならず、タイミングによっては些細な確認作業にも多大な時間を要することがあります。そのためオフィス勤務と比べるとコミュニケーションが円滑にいかず、生産性の低下につながりやすいと言えるでしょう。

情報交換のほかにも、オフィス内で多くの同僚や上司と雑談を交わすなかで得られるような情報が耳に入りにくくなるデメリットもあげられます。日々のささやかな雑談で得た知識が業務に役立つ場合もあるため、インプットできる情報が限られるのは機会損失にもつながりかねません。

コミュニケーションコストの上昇への対策

テレワーク環境でも、工夫次第で活発なコミュニケーションは可能です。まずはビジネスチャットツールなど、メールや電話に比べ気軽にやりとりができる情報共有の場を設定しましょう。

テキストコミュニケーション以外にも、自分のパソコン画面を共有できたりビデオ通話ができたりするビジネスチャットツールも多数あるので、それを利用することで直接話す環境に近い感覚でコミュニケーションも円滑になるでしょう。

ただし、単純にツールを導入するだけでは意味がありません。情報交換するための会議を設定したり、相手に連絡する際は適度なタイミングで絵文字を使ったりと、気軽に相談しやすい雰囲気づくりも重要です。

生産性向上のカギは「モバイルワークプレイス」

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前述のとおり、テレワークによって生産性が低下する理由の多くは、社員自身ではなく業務フローや設備など環境的な問題によるものです。生産性向上を目指すためには、まず業務にあたるうえでネックとなっている、数多くの環境的な問題を解消しなくてはなりません。

そこで生産性を向上させるカギが、「モバイルワークプレイス(Mobile WorkPlace)」です。

モバイルワークプレイスとはコネクシオが提唱する、「人と価値をつなぐ新しいワークスタイル」という概念です。従業員一人ひとりの状況に合わせたモバイル端末やツールの活用によって、安全かつ円滑なビジネスコミュニケーションを実現します。

モバイルワークプレイスで実現できること

モバイルワークプレイスの導入は、業界問わずすべての企業にとってメリットをもたらします。各企業の業種や事業内容、社内コミュニケーション体制など様々な視点に対応した、理想の働き方を実現できるのが最大の特長です。

ここではモバイルワークプレイスで実現できる3つのことを紹介します。

①従業員にとって便利で働きやすい環境を作ることができる

テレワークのメリットを最大限に引き出すためには、すべての従業員が働きやすい環境作りが重要です。しかし一般的に便利で高性能と評価されているツールをやみくもに導入するだけでは、十分に活用できなかったり情報が整理されなかったりと、かえって生産性を低下につながりかねません。

環境整備で何よりも優先すべきポイントは、実際にツールや環境を利用する従業員目線で必要なサービスや製品を厳選することです。モバイルワークプレイスでは様々なクラウドサービスを活用しながら、従業員同士の距離を感じさせない生産性の高い業務活動が実現できます。

②ダイナミックな営業改革

企業にとって重要な課題である営業活動の効率化も、モバイルワークプレイスによって実現します。マーケティング担当者の場合、MA(マーケティングオートメーション)ツールを活用することで、顧客へのアプローチをより適切なタイミングで実行できるようになるでしょう。

さらにインサイドセールスやフィールドセールスが効果的な提案につなげ、カスタマーサポートがお客様の満足度向上に貢献します。このように各部署が最大限のパフォーマンスを促せるよう、部署間の協働を支援できるのもモバイルワークプレイスの特徴です。

③安心安全な環境の提供

テレワークで取り扱うデータのなかには重要な機密情報も含まれるため、セキュリティ面に十分配慮しなくてはなりません。パスワードのないフリーWi-Fiの利用やカフェなど公共施設の安易な利用は、気付かぬうちに情報漏えいを引き起こす危険も。自宅で業務にあたる場合も、ウイルス感染や不正アクセスなどさまざまなリスクがあります。

モバイルワークプレイスは、機密情報も安心して扱えるようセキュリティ面も万全です。MMSデータセンターの整備など通信環境の改善も手掛けているため、ストレスのないデータ通信が利用できます。従業員がより安心して働くことができ、それにより顧客への提案がより良いものになる。このような環境を構築するのがモバイルワークプレイスです。

困ったらモバイルワークプレイスの検討へ

テレワークに慣れないうちは、環境の変化やオフィスとの質の差などによって生産性が下がりやすい傾向にありますが、それぞれの問題に適切な対策を講じることで向上へ転じさせることができます。

環境整備に力を入れたいと思いつつも、どのような対策や工夫が自社に適しているのか分からない場合は、モバイルワークプレイスを検討してはいかがでしょうか。

コネクシオの提唱するモバイルワークプレイスは、従業員にとって働きやすい環境づくりをサポートするために、自社に本当に必要なデバイスやツールの選定から導入サポート、運用開始まで一気通貫での支援が可能です。

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