はじめに


あたり前のことですが、営業はできるだけ多くのお客様と商談をして、会社の収益を上げることが第一のミッションです。そのためには、お客様と会う時間、お客様と連絡を取る時間を出来るだけ多く取り、無駄な仕事を減らしていくことが大切です。
しかし実際は、営業担当やマネージャーを見ていると、会議資料や、報告書の作成のために多くの時間を割いているのが現実です。そこで今回は、営業現場の「資料作成」に注目して、「会議資料を作らない働き方」を、実現するポイントを紹介いたします。

営業マンの業務は多岐にわたる

企業の売上創出を一手に担う営業部門は、常に商談だけを行っているわけではありません。もちろん主たる業務はお客様と対面し商談、受注することですが、そこに至るまで多くのプロセスがあります。

例えば顧客リストの作成。ホームページや展示会、紹介、テレアポなどリード(見込み顧客)を獲得する手段が多ければ多いほどリストは増え、それらを精査するだけでも一苦労です。さらに商談につながれば受注に至るまでのシミュレーションをし、その為に必要な資料を作成、上司とのロープレなど、商談に至るまでだけでもこれだけの準備が必要になります。

そして商談が終われば商談内容の記録を共有して日報の作成と、まさしく目が回るほどの業務を行っています。
そういった状況から営業マンは、常に無駄を排除したいと考えているのです。


営業マンが無駄だと思っている業務「日報・週報・営業会議資料」


多くの営業担当は、マネージャー向けの日報・週報・営業会議資料の作成を当たり前のように作成しているのではないでしょうか。また営業マネージャーはもしかしたら、部下の日報・週報をまとめて、部長や本部長といった上席向けの資料を作っているかもしれません。

しかし、日報・週報・営業会議資料は、呼び方と粒度こそ異なるものの、実は同じ値、同じ内容を繰り返し書いていることにお気づきでしょうか。



オーソドックスな例で説明すると、上の図のように、日報・週報・営業会議資料に共通するおもな値はつぎの3つです。

・売上金額

・予算の達成度合

・概況


日報・週報・営業会議資料はそれぞれ別々のものとして捉えがちですが、日報を集計したものが週報、週報を集計したものが営業会議資料です。ここでハッとした方もいらっしゃると思いますが、実はこれらの資料は情報の粒度とフォーマットが違うだけで、同じものを3回作っていることになるのです。

Microsoft Exceのピボットテーブルを想像してみてください。Excelのピボットテーブルは、行列が細かく分かれたデータを、項目の取捨選択と数字の集計をすることで、目的に合わせた表を作成する機能です。ここでピンと来た方もいらっしゃるでしょう、粒度が細かいデータさえ抜けもれなく記録すれば、あとは目的に応じて集計すればいいのです。つまり、粒度が一番細かい日報を抜けもれなく記録していれば、それより粒度が粗い資料の作成は自動化することができるのです。

週報と営業会議資料が、最小単位の日報の集計値ということはご理解頂けましたでしょうか。
日報さえマメにつけていれば、残りの資料が自動的に集計される仕組みがあれば、今まで資料作成に割いていた時間を、お客様のために使えます。残業して資料を作っていた方は、自分の時間を増やすことができます。
では、この仕組みを実現するには、一体どんなツールを選べばいいのでしょうか。Excelでデータを集計するマクロを組むのも選択肢ですし、1つのファイルを共同で編集できる、OnedriveやEvernoteを思い浮かべた方もいらっしゃるでしょう。ここでは、営業管理に特化したシステムということで、SFAに注目してみましょう。


営業マンの数字管理はSFAでスピーディーに


SFA(Sales Force Automation/営業支援システム)は、その名の通り営業情報の管理に特化したシステムです。ここ数年で一気に普及し、SFAという言葉は皆さんも耳にしたことがあるのではないでしょうか。米国セールスフォース・ドットコム社の「Salesforce」や、マイクロソフト社の「Dynamics CRM」が代表的な製品です。

SFAは、顧客へのアプローチ履歴や商談履歴を入力することで、レポートやグラフで営業部門の状況を可視化できるシステムです。顧客へのアプローチ履歴と商談履歴、これは皆さんが普段つけている「営業日報」にあたるデータですから、日報の記録先を、Excelや手帳からSFAにすることで、営業会議や上長向けの報告物を作成しなくても、SFA上で営業部門の状況を把握することができます。

さらに、SFAは入力したデータの集計、可視化にとどまらない導入メリットがあります。
顧客情報を管理しておくと、クレームや問い合わせが来た時に迅速な対応が可能です。どのクライアントにどのような商材を提供しているかを管理、共有していれば社内のやり取りで齟齬が発生しにくくなり、作業をスムーズに進められます。

また、営業の面でも情報管理は重要です。誰がどのクライアントに対してアプローチをかけ、現状のステータスはどうなのかなど、進捗を可視化・共有することは営業戦略の立案や数字を追う上でのヒントとなるでしょう。達成が厳しそうな営業マンがいればアタックしているクライアントや取扱商材を確認し、質のいいクライアントやリストを回してあげるなどのフォローが可能です。

クライアントごとのアプローチ履歴や関係性の共有も必要です。「あのクライアントには絶対にこの商材が刺さる!」という場合に、社内の【だれ】が【そのクライアント】との関係を持っているかを簡単に確認できれば、クライアントとの関係構築も容易でしょう。

データがたまってきたのちには営業マンごとの得意不得意などが見えてくると思います。取扱商材や異動などの参考データとして活用すれば、より適切な人員配置で営業強化につなげることもできるでしょう。